全国中学・高校ディベート選手権ルール

1996年01月31日制定
2012年05月20日改正
2013年12月28日改正
2019年02月25日改正
2022年02月20日改正

第1条 試合の進行

第1項

試合は、大会主催者が定めた論題について日本語で行われます。
フォーマットは、別表1・別表2 の通りです。
論題に付帯文がある場合には、論題の一部として扱います。

第2項

試合では、原則として4 名の選手が立論・質疑・第1 反駁・第2 反駁の各ステージをそれぞれ担当するものとし、質疑における応答は立論担当者が担当するものとします。
出場選手については、大会要綱に従わなくてはなりません。

第3項

試合は、司会者の指示によって進行します。選手、聴衆は、司会者の指示に従わなくてはなりません。

第2条 各ステージの役割

第1項

肯定側立論は、論題を肯定するためのプランを示し、そのプランからどのようなメリットが発生するかを論証するものとします。
否定側立論は、現状維持の立場をとるものとし、主に肯定側のプランからどのようなデメリットが発生するかを論証するものとします。

第2項

質疑では立論の内容などについて質問を行い、質疑での応答は立論の補足として扱われます。

第3項

反駁は、主に、メリット(あるいはデメリット)に対する反論、反論に対する再反論、メリットとデメリットの大きさの比較を行います。

第3条 議論における注意事項

第1項

議論の論証のために、文献等をスピーチで引用することができます。
引用に当たっては、別に定める細則A(証拠資料に関する細則)に従わなくてはなりません。

第2項

質疑で明らかとなった情報を議論に生かすためには、その後の立論や反駁で改めて述べる必要があります。

第3項

相手が持ち出した主張・根拠に反論する場合を除き、立論で提出されず反駁で新たに主張や根拠を提出することはできません。

第4条 判定

第1項

試合の判定は、本条に基づき審判が行います。
審判は、メリットがデメリットより大きいと判断した場合には肯定側、そうでないと判断した場合は否定側に投票します。
引き分けの投票をすることはありません。

第2項

各審判はそれぞれ独立して投票し、多くの審判の票を獲得した側が勝利となります。
ただし、細則Bの規定に違反した場合や、その他大会要綱に違反したことが試合中または試合後に判明した場合はこの限りではありません。

第3項

審判は個々の論点について以下のように判断を行います。

  1. 一方のチームが根拠を伴って主張した点について、相手チームが受け入れた場合、あるいは反論を行わなかった場合、根拠の信憑性をもとに審判がその主張の採否を判断します。
  2. 一方のチームの主張に対して相手チームから反論があった場合には、審判は両者の根拠を比較して主張の採否を決定します。
  3. 証拠資料については、細則Aの規定を踏まえて、資料の内容や出典の信憑性をもとに評価します。
    細則Aに違反した場合、引用した証拠資料の信憑性が低く評価され、あるいは証拠資料として引用されなかったものと判断されます。
  4. 立論で提出されず、反駁で新たに提出された主張・根拠(新しい議論)は、判定の対象から除外します。
    ただし、相手の持ち出した主張・根拠に反論する必要から生じた主張・根拠はこの場合にあたりません。
  5. 相手チームの主張・根拠に対する反論のうち、第1 反駁で行えたにもかかわらず第2 反駁で初めて提出されたもの(遅すぎる反論)は、判定の対象から除外します。

第4項

審判は、個々のメリットあるいはデメリットについて、以下の3 点について検証を行い、大きさの判断を行います。

  1. プランを導入しなければ、そのメリットあるいはデメリットは発生しないこと。
  2. プランを導入すれば、そのメリットあるいはデメリットが発生すること。
  3. そのメリットあるいはデメリットが重要・深刻な問題であること。

第5項

審判は、個々のメリット、デメリットの判断をもとに、メリットの合計とデメリットの合計の比較を行い、どちらに投票するかを決定します。その際、比較の価値基準が試合中に提示されていれば、その立証の程度に応じて反映します。
判断基準が示されなかった場合は、審判の判断に委ねられます。

第5条 コミュニケーション点

第1項

各審判は、話し方、スピーチの速度、議論の構成などを総合し、分かりやすいスピーチであったかという観点からコミュニケーション点を採点します。
質疑・応答のステージでは、相手方とかみ合ったやり取りをしているかという観点についてもコミュニケーション点において評価します。

第2項

コミュニケーション点の採点は、立論・質疑・応答・第1 反駁・第2 反駁のそれぞれについて、以下の基準に基づいて行います。
各審判が各ステージについて採点したコミュニケーション点を合計したものをチームのコミュニケーション点とします。

5点 非常に優れている
4点 優れている
3点 普通
2点 改善の必要がややある
1点 改善の必要がかなりある

第6条 反則行為と処分

第1項

選手等に反則行為があったことが試合中または試合後に判明した場合、別に定める細則B(反則に関する細則)や大会要綱に基づき、審判団や大会主催者の判断で敗戦や大会失格等の処分を受けることがあります。

(別表1)中学の部 試合フォーマット

肯定側立論4分
否定側準備時間1分
否定側質疑2分
否定側準備時間1分
否定側立論4分
肯定側準備時間1分
肯定側質疑2分
否定側準備時間1分
否定側第1反駁3分
肯定側準備時間2分
肯定側第1反駁3分
否定側準備時間2分
否定側第2反駁3分
肯定側準備時間2分
肯定側第2反駁3分

(別表2)高校の部 試合フォーマット

肯定側立論6分
否定側準備時間1分
否定側質疑3分
否定側準備時間1分
否定側立論6分
肯定側準備時間1分
肯定側質疑3分
否定側準備時間1分
否定側第1反駁4分
肯定側準備時間2分
肯定側第1反駁4分
否定側準備時間2分
否定側第2反駁4分
肯定側準備時間2分
肯定側第2反駁4分

細則A(証拠資料に関する細則)

2004年12月18日制定
2006年01月21日改正
2007年02月24日改正
2012年05月20日改正
2015年02月21日改正
2019年02月25日改正
2022年02月21日改正

第1条

証拠資料として認められるものは、書籍、新聞、雑誌等、紙媒体に記録されたもの、 またはインターネット上で流布している情報で、日本国内において広くアクセス可能なもののみとします。

独自に行ったインタビューやアンケート等については、その調査対象や調査手法、調査時期の妥当性に応じて信憑性が評価され、証拠資料と認められる場合があります。

第2条

図や表の証拠資料を引用する場合は口頭で読み上げるものとし、視覚的に掲示することは認められません。

外国語の文献をそのまま引用すること、もしくは独自に翻訳して引用することは認められません。

第3条

試合で引用する証拠資料については、引用する文面(中略した場合は中略した部分の文面を含みます)を記録し、請求に応じて提出できるように用意しておかなければなりません。

第4条

試合で引用する証拠資料については、引用した証拠資料を第三者が確認できるよう、出典に関する情報を記録し、請求に応じて提出できるように用意しておかなければなりません。
出典に関する情報とは、例えば、別表3のC欄の内容を指します。

第5条

証拠資料を引用する際には、記録した出典に関する情報のうち、信憑性の判断に特に関わる項目を示さなければなりません。
信憑性の判断に特に関わる項目とは、例えば、別表3のB欄の内容を指します。

第6条

証拠資料を引用する際には、引用の開始部分と終了部分を明示した上で、原典の文面をそのまま引用しなければなりません。

証拠資料を引用する際には、元の文意を損なわない範囲で行わなければなりません。
特に、証拠資料の文面を中略する場合は、中略を行ったことを引用中に明示しなければなりません。

第7条

各チームは、自分たちの準備時間中に、相手チームがそれまでに引用した証拠資料の文面(中略した文面を含みます)及び出典に関する情報(以下、「証拠資料の文面等」といいます)の提出を求めることができます。

審判は、準備時間中及び肯定側第2反駁終了直後に、各チームがそれまでに引用した証拠資料の文面等の提出を求めることができます。

第8条

審判あるいは相手チームから、それまでに引用した証拠資料の文面等の提出を求められた場合、その準備時間中にその証拠資料の文面等を提出しなくてはなりません。

前項の求めに応じることができないまま準備時間が終了してしまったとしても、提出する側は依然として提出する義務を負います。

その場合、いずれの側のものであっても、次の準備時間中に提出しなければなりません。

第9条

証拠資料の文面等の提出を受けたチームは、その準備時間の終了までに証拠資料の文面等を返却しなければなりません。

(別表3)

A 引用する資料B 引用時に読み上げるべき出典情報C 記録しておき、請求に応じて提出すべき出典情報
書籍、雑誌記事著者の肩書・氏名、発行年
※1、 ※2、 ※3
左記に加え、
書名または雑誌名+巻号、引用部分のページ数
インターネット上の情報著者の肩書、氏名、情報掲載年
※1、 ※3、 ※4
左記に加え、
サイトにアクセスした日付、サイトのURL
新聞新聞名、発行年
※3
左記に加え、
発行年月日
独自のインタビュー・アンケート独自の調査であること自体の明示、
調査対象、調査手法、調査時期
左記に加え、
調査の詳細

※1 著者が組織の場合は、組織名を示す
※2 編著の場合は、引用部分を執筆した著者の肩書・氏名を示す
※3 引用した文面中に、出典として示した著者以外の人物による発言や文章が含まれる場合は、その発言者の肩書・氏名を示す
※4 情報掲載年が不明の場合は、「掲載年不明」と示す

細則B(反則に関する細則)

2004年12月18日制定
2006年01月21日改正
2007年02月24日改正
2013年12月28日改正
2015年02月21日改正
2019年02月25日改正
2022年02月21日改正

第1条

各審判は第3条に規定する各種の反則行為に対し、注意や制止をしたり、コミュニケーション点を減点したりすることができます。

第2条

第1条に規定する反則行為への対処・処分は、選手からの指摘の有無に拘わらず、審判独自の判断によって行うことができます。

第3条

次の行為があったときは反則として、悪質な場合、審判団の判断でその試合を敗戦にすることがあります。

1号 選手が、試合前に届けられたステージと異なるステージを担当したとき。
2号 スピーチ中の選手に対して、他の選手が口頭でアドバイスを行ったとき。
3号 私語等により、スピーチの聞き取りを妨げる行為を行ったとき。
4号 審判や相手チームから証拠資料の提出が求められた際、これに応じないとき。
5号 証拠資料を捏造(ねつぞう)して使用したとき。
6号 証拠資料として元の文章を改変したものを引用したり、元の文意を変えるような不適切な省略をしたとき。
7号 選手等が司会者や審判の指示に従わず、試合の継続が困難と判断されるとき。
8号 選手が、試合中にチームの選手以外の者と相談をしたとき。
9号 選手が、試合中に電話・パソコン等を使用して通信したとき。
10号 その他、試合中、選手に著しくマナーに反する行為があったとき。

第4条

前条各前条各号の反則行為があったと考えられる場合、出場選手は試合中あるいは肯定側第2 反駁直後に審判に申し出ることができます。その際は、相手チームのどの行為が、どの反則行為に該当するのかを明示しなければなりません。

第5条

第3条各号の行為のほか、大会要綱に従い、主催者の判断でその試合の敗戦または大会の失格にすることがあります。 

第6条

第3条各号または第5条の規定により敗戦となったチームが生じた場合、相手チームがその試合において全ての審判の票を得たものとみなし、コミュニケーション点は0点とします。

第7条

第3条各号または第5条の規定により双方のチームが敗戦または失格となった場合、各チームは、その試合において一切の票を得なかったものとみなし、コミュニケーション点は0点とします。