オンラインディベート事例集

最終更新: 2021/7/4

本資料は、オンラインディベート大会を行った際に参加者やジャッジ、スタッフから質問があったり、トラブルになった事例を集めたものです。
同じような疑問にぶつかった際の参考にしたり、失敗を繰り返さないための対策を考えたりするために活用して下さい。

事前準備

Q. オンラインディベート大会では、相手チーム等からの証拠資料の請求に対し、チャットを使いテキストで提示しますが、どんな準備をしておけばいいですか?
また、画面共有やPDF等のファイル、URLで提示してはいけないのはなぜですか?

A. 証拠資料請求にスムーズに対応するため、立論や反駁で使用した証拠資料は出典、引用した文面、中略した文面とともに整理して保管しておくとよいでしょう。出場選手がZoomのチャットにコピー・ペーストできるように、準備しておいてください。PDFファイルのままではコピー・ペーストができない場合もあるので注意してください。

画像共有や資料のファイルそのものを相手チームに送信して提示することは著作権に抵触するおそれがあるため禁止しています。
URLの提示も、複製権(著作権法21条)及び公衆送信権(同法23条1項)の観点から禁止しています。

受付

Q. チームメンバーの中で、急遽、当日参加できない人が出てきてしまったのですが、どうすればよいですか?

A. 必ず主催者に申し出て、指示を仰いでください。特に、登録メンバーが4名未満となる場合は、メンバーが欠けた事情を鑑みて、それが認められる内容であった場合のみ、出場が許可されます。(全国中学・高校ディベート選手権大会要綱 第5条 3)
メンバーの変更があったにも関わらず、主催者に対して適切な申し出が行われなかった場合、大会の失格、または、大会後にの返還等を求める場合があります。(同 第10条)

試合開始前

Q. 資料提示専用のPCを用意して試合会場のZoomに入っていいですか?

A. 問題ありません。その場合は、資料提示用PCはZoom以外の通信をせず、操作は出場選手が行ってください。Zoomの表示名は「出場校略称 資料提示用」としてください。

Q. スピーチしていない出場選手や審判のカメラをオンにする必要がありますか?

A. 試合中は出場選手、審判のカメラをオンにし、できるだけ顔が映るようにしてください。ディベートはコミュニケーションを重視する競技であり、オンラインであっても表情がみえることが大切だからです。回線の都合等でカメラオンが難しい場合は主審の許可を得たうえでオフにしてください。
また、試合開始前の自己紹介は、選手及び審判が全員カメラをオンにしても問題なく通信ができるかどうかというテストも兼ねていますので、自分の自己紹介の番でなくとも、カメラをオンにしてください。

Q. 全選手が一か所から参加している場合の注意点はありますか?

A. 全選手が一箇所から参加している場合に、教卓に立った選手に向けてカメラが固定されているため、相手のスピーチや講評中には誰も映っていないというようなパターンがあります。カメラの向きを毎回変えるか、スピーチを座席側で行ってカメラはずっと選手側に向けておくなど、それぞれの状況に合わせて工夫して下さい。
聞き手がどのような状態で聞いているか(どんな表情をしているか、十分メモがとれているかなど)は、ディベートのコミュニケーションにおける重要な要素です。試合中は、スピーチをする選手はもちろん、スピーチを聞いている時やジャッジの講評の際も、できるだけ選手の表情や様子が見えるように、カメラの配置や角度を配慮ください。

Q. タイムキーパーはカメラオンにする必要はありますか。

A. ありません。タイムキーパーは時間の計測や各種トラブルが発生していないかの確認に注力してください。

試合中

Q. 相手チームの選手が準備時間中にLINEやメッセンジャー、SMS、電話などでやり取りしているようなのですが、問題ないでしょうか?

A. 問題ありません。出場選手同士のやり取りのための通信は許可されています。(ディベート甲子園オンライン開催時のルールに関する通達 2 ②)

Q. 証拠資料提示に対応できなかったらマナー点減点になりますか?1回でいきなり減点になりますか?

A. 資料提示が遅れてしまった場合、審判の判断においてマナー点が減点されることは十分にあり得ます。相手に十分な反論の機会を与え、充実したディベートを行えるようにするという意味で、資料提示に速やかに応じることは非常に重要なことですので、1度目の提示遅れで減点がなされることも考えられます。
証拠資料に基づいた議論をする上では、証拠資料の内容や、引用の方法が適切であるかを相手チームが検証できるようにしておくことが重要です。相手の準備時間中に資料提示が間に合わないと、相手は証拠資料を十分に検証することができず、効果的な反論をする機会を奪ってしまうおそれがあります。すなわち、相手チームからの求めに応じて速やかに提示ができるよう準備しておくことは、証拠資料を用いたディベートを行う上での基本的なマナーです。

Q. 資料提示をしようとしていたら準備時間が終わってしまったので、もう提示はしなくて構いませんか?

A. ディベート甲子園オンライン開催時のルールに関する通達 の2021年5月追記分で、すみやかな提出に努めた上で、それでもなお準備時間中に間に合わなかった場合は、直後のスピーチ時間までまたがっても構わないので、できる限り早く資料を提示する、という規定が追加されました。ですので、提示を求められたチームは引き続き、相手に資料が提示できるよう務める義務があります。

Q. 資料提示ができなかった場合は、必ずマナー点の減点になりますか?

A. 資料請求をする側のやり方に問題がある場合、減点を行わないということもあり得ます。
例えば、準備時間終了の直前に相手が提示を求めてきた場合、極端に多くの資料提示を求められた場合、どの資料を求めているのかの説明が不十分であった場合等は、時間内に資料提示ができなくともやむを得ないと考えられるからです。
また、資料を請求する側が、準備時間終了数秒前に全ての資料を請求するなど、明らかに非合理的な請求で意図的に相手チームに負担を与え、あわよくば減点にさせようとするような行為は、ルールの濫用に当たると考えられ、公正なディベート競技を実現するというルールの主旨に背く行為であるため、逆に請求側がマナー点を減点される可能性もあります。
さらに、上記のルール濫用が、著しく悪質である場合は、審判団の判断でその試合を敗戦にすることがあります。(全国中学・高校ディベート選手権ルール 細則B (反則に関する細則) 第1条 10号)

Q. 資料請求をする場合、どういう風に欲しい資料を指し示せばよいですか?

A. 例えば、「解決性の○枚目で、~というような内容を言っていた資料を下さい」というように、相手の立論の構造に沿った順番での指摘と、資料の概要を使った指摘を併用することが望ましいです。前者だけだと数え間違えている場合がありますし、後者だけだと素早く目的の資料を探り当てることができません。
著者の名前を使って「解決性の○○氏の資料を下さい」というような指摘をする例もありますが、著者名を正しく聞き取れていない場合や、同じ著者の資料を複数使っている場合があり、誤解が生じやすいので、あまり好ましい方法ではありません。

試合終了後

Q. 試合終了後に審判に質問をしたいことがあるのですが、可能ですか?

A. 大会の進行状況や審判の方の判断に依りますので一概には言えませんが、試合終了予定時刻まで余裕がある場合は、応えて貰える可能性があります。試合終了予定時間になってしまった場合、同じZoomアカウントで次の試合会場のセッティングをする必要があるため、質問の時間を取ることはできません。質問の途中であった場合も、タイムキーパーのスタッフが打ち切らせていただきます。

休憩時間

Q. 休憩時間(昼休みや自チームの試合がない時間帯)は、Zoomから離れてもよいですか?

A. 問題ありません。ただし、主催者から緊急の連絡がある場合には、引率者に連絡を入れますので、引率者は各選手に連絡が取れる体制を整えておいてください。

その他

Q. 一般(登録選手や引率ではない人)の見学はできますか?

A. 大会毎に見学のための手続きが定められていますので、それぞれの主催者の案内に従ってください。事前の申し込みが必要な場合もありますのでご注意ください。

Q. Zoomのミーティングに入る際、表示名を変更してくださいと言われたのですが、従わなければいけませんか?

A. 一定の規則による命名を行う事により、チームメンバーや審判の識別をしやすくしているため、必ず従ってください。
命名規則に従っていない場合、不審者と判断され、スタッフにより強制退去させられることがありますのでご注意ください。
表示名の変更方法が分からない場合は、スタッフ等に尋ねてください。