附則:全国中学・高校ディベート選手権 オンライン開催時のルール

2022年2月20日制定

第1条 目的

この附則は、全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園)の試合がオンラインで開催される場合において、通常のルール(全国中学・高校ディベート選手権ルール)に追加で適用される規定です。

この附則に違反した場合、細則Bに定める反則行為と同様に処分を受けることになります。

第2条 証拠資料の提出

  1. 細則Aの第8条で定める証拠資料の提出は、試合を行うソフトウェア(例えば Zoom)のチャット機能を使用し、文面をテキストとして貼り付けるものとします。
    証拠資料の文面ではなくURLのみを提示し、相手チームに閲覧させたり、画面共有等の機能で視覚的に見せたりという形での提出は認められません。
    なお、表やグラフ等、そのままの形式で提出することが困難な場合は、その旨を明示した上で、該当箇所を抜粋して提出してください。
  2. 細則Aの第9条で定める資料の返却については不要とします。
  3. 相手チームに証拠資料の提出を求める場合は、準備時間中に音声でその旨を伝えてください。
  4. 資料提示の呼びかけを受け取るため、準備時間中でも相手の音声が聞こえる状態にしておいてください。
  5. 細則Aの第8条2項で定める資料提示が速やかに行われなかった場合の対応については、次の準備時間ではなく、直後のスピーチ時間中も含めて、できるだけ早く提出する義務を負うものとします。
    なお、相手チームの資料提出が遅れたことによる準備時間の延長措置はありません。

第3条 通信の禁止

  1. 細則Bの第3条9号で定める通信の禁止については、以下の各号に定める場合のみ、例外として認めるものとします。これ以外の通信、例えばインターネット上のサイトを閲覧したり、検索したりする事については引き続き禁止となります。
    1. 試合会場となるオンラインミーティングへの接続
    2. 選手が個別に参加する場合の出場選手間の通信
    3. 接続障害等発生時に、その旨を伝達するための通信

第4条 選手以外の者との相談の禁止

  1. 細則Bの第3条8号で定めるチームの選手以外の者との相談は引き続き禁止となります。
  2. この場合の「相談」には、選手以外の者がチャット、SNS等に書き込んだ内容を選手が閲覧する、共有フォルダにアップロードしたファイルを選手が参照する等の形態も含みます。
  3. ただし、試合中に通信障害が発生した場合に、それを復旧させる事を目的として、選手以外の者が助言を行ったり、操作を代替したりすることは、例外として認められます。

第5条 通信等に問題が発生した場合の扱い

1.      本条で対象とする通信等の問題とは、選手・審判・タイムキーパーの声が他の人に伝わらない場合(発信側)と、それらの人が他の人の音声を聞き取れない場合(受信側)の両方を含み、またその要因はネットワークの問題、マイク等の機器の故障、操作上のミス等のいずれによるものであっても同じ取り扱いとします。

  • 通信等の問題の発生時の対応については以下の各号に定める通りとします。
第1号 選手の通信等に問題が発生した場合
  1. 担当ステージが終了している場合は、そのまま試合を進行します。
  2. 担当ステージがまだ残っている選手に通信等の問題が発生した場合、まずはチームの他の選手から、審判に問題が発生している旨を伝えてください。
    この場合、他の選手のスピーチを遮ってもかまいません。この連絡を受けた場合、主審は試合の中断を宣言し、以下の順番で対応します。
    1. まず、5分待ちます。この間に当該選手が復帰できる場合は、主審の指示する方法で試合を再開します。
    2. 5分を超えても当該選手が復帰できない場合の対応については主審が判断するものとし、大会要綱 第5条 6に定める不測の事態への対応の条項を適用し、当該試合の別の出場選手が代わりにスピーチを行うか、それが不可能な場合、問題が生じた側の不戦敗という処理になることもあり得ます。
  3. 通信に問題が発生し、復帰できた場合の再開方法については、以下のいずれかの対応を取ります。
    どの方法を採るのが最も公正かつ合理的かは、スピーチの残時間や問題の程度等、発生時の状況を総合的に考慮して決めなければならないため、主審の判断に委ねるものとします。
    1. 当該スピーチの冒頭からやり直す
    2. 中断した時点から再開する
    3. 問題により聞き取れなかった部分のみ再度読み直す
  4. スピーチの途中から再開する場合、残りスピーチ時間は主審が判断します。
  5. 試合が準備時間の途中で中断した場合、その準備時間から再開します。この場合、残り準備時間は主審が判断します。
第2号 審判の通信等に問題が発生した場合
  1. 審判の通信等に問題が発生した場合、主審(主審の通信等に問題が発生した場合は副審)が試合の中断を宣言します。この場合、まず5分程度待ちます。
  2. 当該審判が試合に復帰できる場合、中断したステージから試合を再開します。
  3. 当該審判が試合に復帰できない場合、予備の審判が居れば、その審判に投票権を移します。
    また、欠けた審判の役割(主審/副審)については、主審 > 副審1 > 副審2 > 予備審判の優先度で、それぞれ欠けた役割に繰り上がるものとします。
  4. 予備の審判が居ない場合、あるいは予備の審判を含めても正規の人数を割った場合、残った審判のみで試合を再開します。
    この場合、得票数・コミュニケーション点は残った審判の平均を、復帰できなかった審判のものとみなします。
    例えば、審判5人の試合で1人に問題が生じた場合、残りの4人の投票が肯定側3票、否定側1票だとします。このとき、肯定側3.75票、否定側1.25票として計算します。
    なお、肯否の得票が同数になる場合、主審が投票した側の勝ちとします。主審が復帰できない場合は、副審の中であらかじめ決められた者が投票した側の勝ちとします。
  5. 試合を再開する際の残り時間の考え方は第1号と同様とします。
第3号 タイムキーパーの通信等に問題が発生した場合
  1. タイムキーパーの通信等に問題が発生した場合、原則として、審判の一人がタイムキーパーを兼ね、試合をそのまま続けます。
    ただし、主審の判断により、問題が発生したステージを最初からやり直すなどの措置をとる場合があります。

第6条 カメラ・マイクの運用について

  1. マイクについては、雑音等の混入を防ぐため、スピーチを行う人のみがONするものとし、それ以外の者は原則としてミュートの設定を行ってください。
  2. カメラについては、出場メンバー(個別に参加している場合は、スピーチしていない者も含む全員)・ジャッジ共に、試合中は原則として常にONするものとします。
    ただし、カメラをONすることによって回線が不安定になり、音声接続にも支障が出る場合には、その旨を審判に申告し、カメラをOFFする許可を得て試合の継続を優先して下さい。
  3. 試合中は、スピーチをする選手だけではなく、相手チームのスピーチを聞いている時やジャッジの講評の際も、原則として自チームの選手を映し続けるものとします。